参考文献 講座資料
市の史跡・文化財へ
かすみがうら市のジオ探検 歩﨑周辺
 本尊の十一面観音菩薩像は行基(奈良時代の僧)の作と伝わっています。
 この観音様には、伝説があります。霞ヶ浦の湖上で、急な暴風雨に襲われ、船が難破しか
けていたので乗員は夢中で「南無観世音大菩薩」と唱えたところ、観音様が湖上を歩きやっ
てきて、船を安全なところまで運んでくれました。
 このことから、この地は「歩﨑」と呼ばれるようになったということです。
 本尊はあゆみ祭りのページをご覧下さい。
  更に先に歩を進めると広い空地の一角に「横穴式古墳」がありました。他を探してみると 
 もう一か所ありました。
慈眼寺の宝篋印塔
 境内には、室町時代の末頃に造られた宝篋印塔(ほうきょういんとう)と呼ばれる、お経を 
納めるための石造物の部材が残されています。
 かすみがうら市周辺の石造物は、筑波山系の山から算出される花崗岩製のものが殆どで 
すが、慈眼寺の宝篋印塔は銚子石で、銚子石が霞ヶ浦を舞台とした舟運によってもたらされ 
たことは確実で、中世から港が存在したこの地ならではの文化財と言えるでしょう。
 社伝によると、仁和2年(866)に鹿島神(常陸国一宮鹿島神宮の祭神である武甕槌神・た 
けみかづちのかみ)を勧請してこの地に創建されたと伝わっています。
 武甕槌神は「古事記」や「日本書紀」に描かれている”大国主命の国譲り”に深く関わった武 
神です。
 この表参道入口から歩﨑山宝性院長禅寺へ向かう階段の両脇に地層が露呈されていま
した。
映画「米」の撮影記念碑
 青龍山慈眼寺は、真言宗豊山派の寺院です。本尊は木造十一面観音菩薩立像で、南北朝 
時代の製作と考えられています。
 慈眼寺の建立年代は判明していないが、台座に明和9年(1772)に18代住職によって彩色 
修理が行われたことが記されています。本尊の仏像から南北朝時代には開山していた可能性 
が指摘できます。
平成26年11月22日(土)  
  かすみがうら市郷土資料館主催「ジオ探検!第2回 歩﨑周辺」の講座に参加しました。  
  歩﨑は、水郷筑波国定公園(昭和34年に指定)の中でも有数の景勝地で、展望台から望 
 む三又沖の眺めは素晴らしく、県指定名勝の第1号(昭和8年指定)であるとともに、「茨城  
 百景(昭和25年に選定)」や「茨城の自然100選」にも選ばれています。  
  また、歩﨑周辺地域には、水族館や郷土資料館などの文化施設、森林公園などが整備さ  
 れております。 
 歩﨑展望台から望む三又沖
折本良平の顕彰碑
土浦藩主 土屋相模守奉納の常夜灯
 歩﨑観音境内には、様々な石造物が残されています。
  真言宗豊山派の寺院で、慈眼寺の末寺にあたり、本尊は十一面観音菩薩像です。 
◎ 歩﨑山宝性院長禅寺 山門   
 今から13万年くらい前の「氷期」という寒い時代が終わり、温暖は気候に変わって南極の
氷が解け、海水面の上昇により関東地方の大部分は「古東京湾」と呼ばれる海の底となり
ました。その時の地層だそうです。
◎ 水族館
帆引き船を模したモニュメント
 当地の「折本良平」は、高瀬舟が帆にいっぱいの風を受け湖面を走っていくのにヒントを  
得て、風力による漁法を考案し、三か年の苦心研究の結果、明治13年(1880)初めて霞  
ヶ浦に帆引き船が浮かんだ。まさに画期的な発明で明治三十年第二回水産博覧会で褒賞  
を受けました。 
 ◎ 帆引き船発祥の地
 次に霞ヶ浦湖畔に向かいました。
同じ場所に「五輪塔」もありました。
◎ 青龍山慈眼寺(せいりゅうさん じがんじ)
 境内にはひっそりと諏訪神社の石碑(分社)残されています。   
 長野県の諏訪湖周辺に所在する諏訪大社の分社で、狩猟や漁業に関する信仰対象となっ 
ています。
 祭神は建御名方神(たけみなかたのかみ)という武神とその妻の八坂刀女神(やさかとめの 
かみ)です。
 建御名方神は、大国主命の子息で、国譲りの際に武甕槌神と力比べして、敗北しています。 
 ここ、志戸崎鹿島神社には、国譲りにかかわる武神が二柱祀られていることになります。
志戸崎鹿島神社 本殿
トップへ
志戸崎鹿島神社 拝殿
◎ 志戸崎(しとざき)鹿島神社  
 この先に郷土資料館があります。「あゆみ祭り」のページをご覧下さい。
     
   ご覧のように歩﨑周辺地域には独特の自然環境や、歴史的な遺産が数多く存在しま 
  す。歩﨑の地を訪れてゆっくりと歩きながら、身近な歴史に触れてみませんか?  
   市民学芸員の私達がご案内させていただきます。
   是非お出掛け下さい。お待ちいたしております。
 歩﨑森林公園
 映画「米」は、1957年公開の今井正監督の作品で、旧出島村(現在のかすみがうら市東 
部)をロケ地として撮影が行われました。
 映画「米」はこの地域の美しい自然・文化を背景として、農漁村の人々の生活がありありと 
描き出されており、第8回ブルーリボン賞にも選出されました。
 折本良平の顕彰碑は、帆曳網漁法の発明者、折本良平の事績を讃えるもので、元は生 
家にあったものが、この地へ移されました。
◎ 水神宮・・・霞ヶ浦は浅瀬ですが、大勢の人の水難者がいたようです。
二羽の白鳥がのんびりと餌をついばんでいました。可愛いでしょう。
 力石(ちからいし)・・境内に大きな丸い石が5つ置かれています。集落の力自慢の若者た
             ちによる力比べに用いられました。相当重い石でした。